過酷な国民健康保険料負担!

日本は、国民皆保険により、何らかの保険制度に加入しなければならないこととされています。法人の役員の方やサラリーマンなどは、健康保険に加入していますし、個人事業者など、その他の方は、国民健康保険に加入しています。

また、物議を呼んだ、75歳から加入する後期高齢者医療保険もありますね。後期高齢者という言い方はなんだ、ということで長寿医療保険制度などとも言われました。これは、民主党案によると、将来廃止になるようですね。

さて、今回の話題は、前回(かなり前になってしまいましたが)お話した、国民健康保険についてです。個人事業者など、健康保険に加入できない方は、国民健康保険に加入することになりますが、この国民健康保険の負担が重く、悩まれる方が多くいらっしゃいます。

40歳以上の方で、夫婦と子供1人で、所得が300万円の個人事業者のケースを考えてみます。個人事業者で、所得が300万円ということは、月にして25万円の生活費、ただ、その所得も、事業用の借入金の返済や事業の運転資金に回さないとならないことから、実際は、20万円位生活費が取れればよい方でしょう。まあ、贅沢はできないですが、何とか生活できるかなという位です。ところが…。

札幌市の国民健康保険料は、医療分保険料と支援金分保険料、介護保険料から成っており、この制度で行くと、ケースで上げた事例の場合、所得金額300万円に対して、50万円超も国民健康保険料がかかってしまうのです。また、国民年金保険料も夫婦それぞれで支払わなければならないので、14,660円×12か月×2人の35万円超の負担が生じます。こうなると、いわゆる社会保険のみでも85万円超の負担が生じ、所得税と住民税の負担を合わせると、ゆうに100万円は超えてしまことになります。

所得金額から、社会保険や税金(所得税や住民税)を引いた額を可処分所得といいます。平たくいうと自由になるお金といっていいでしょう。個人事業者が所得300万円の場合、前述のように、生活費としては実際240万円程度とれればいい方でしょう。それに100万円超もの公的負担がふりかかってくのです。これでは、とてもではないですが暮らして行けません。

役所には、国民健康保険の支払いについての相談が多いと聞きます。役所の対応としては、能力に応じて、支払額を決めてますのでというようですが、本当ですか??と、聞きたくなってしまいます。実際計算をしてみてほしいです…。国民健康保険については、応能負担原則、相互扶助なども考慮し、その制度について考えなおす必要があると考えます。

社会保険が高い!

平成21年の9月分(10月納付分)から、社会保険料が改定されます。

社会保険は、厚生年金保険と健康保険からなっていて、法人の場合には、法律上は、強制適用事業所といって必ず加入しなければならないことになっています。

しかし…、はっきり言いまして、中小企業には、過酷なほど負担が重いですね。次回は、国民健康保険についても書こうと思いますが、こちらも負担が重すぎです。

税金負担が重い、消費税が…などなど議論されていますが…、事業者よりもサラリーマンの方の方が多いので話題とならないのでしょう…、税金よりも、まず、社会福祉制度の負担について、考えてほしいものです。日本経済は、中小企業がささえているわけですから、その中小企業の経営に影響を与え過ぎるほどの負担は考えものです。

厚生年金保険料は、2004年10月から年0.354%ずつ14年連続して引き上げ、2017年度以後18.30%になることがすでに決まっており、将来はますますの負担増となる予定です(鳩山政権がメスをいれなければ)。

健康保険については、平成18年の法律改正で、今年の9月分(10月納付分)から、都道府県毎の保険料率になことになりました。今、全国の保険料率を見たのですが…北海道が保険料率8.26%で全国で一番高いのですね!! 地域経済や、所得面でも厳しい北海道が、保険負担も高いとは。

地方でできることは地方で、個人できることは個人で、いわゆる小さな政府の日本づくりが始まった感がありますが、本当に、それが日本人の望んでいたことなのでしょうか…。

健康は何よりもの財産ですね。 しかし、どんなに気をつけていても。病気は、誰しもいつなるかわからないもの。命をお金で買う(お金がないと治療ができない)、そんな時代だけにはなってほしくないと切に願います。

全国健康保険協会より~ 

●都道府県別保険料率においては、都道府県ごとに、医療費に応じて、保険料率が現行よりも低くなったり、高くなったりしますが、今後、いずれの都道府県においても、疾病の予防などにより加入者の医療費が下がれば、その分の保険料率を下げることが可能となる仕組みです。

●今後、都道府県毎に、加入者の皆様の健康を増進し、疾病の予防を推進していくことが、一層重要となってまいります。協会けんぽとしても、健診や保健指導などの予防事業などを進めていくこととしていますので、加入者・事業主の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

政権交代

先日の選挙では、民主党が圧勝していよいよ政権交代となりました。しかし、過去の負の遺産も多く、改革も大変でしょう。年金財政、国の借金800兆、プライマリーバランス(国の歳入から歳出を引いた額)の黒字化、失業者対策(今は過去最低の失業率)など困難を伴うものが多いです。過渡な期待はせず、国で行うものは国で、地方で行うものは地方で、個人で対策をするものは個人で、という意識で取り組んでいきましょう。

子供手当の支給、高速道路の無料化、最低賃金の平均1,000円としてのワーキングプア対策、中小企業の法人税率11%などバラ色の対策が多いですが、毎年のプライマリーバランスの赤字は30兆円。国債を発行することによって賄われていますが、徹底的な見直しをもってしても、社会福祉の費用も多くなることから、将来の増税は避けられないでしょう。しかし、今は経済、雇用、年金、医療、早急に立て直しが最重要。鳩山政権に期待したいと思います。

年金通帳という制度もいいですね。どうやら預金通帳のように記録されるような感じになるとのことです。これは、そう実現困難ではないので対応してほしいですね。これだけ消えた年金が問題になったのですから将来また繰り返してはいけないので。

今ある、年金手帳、私も疑問に思っていました。転職したりして、国民年金から厚生年金、または厚生年金から国民年金に切り替えるとき年金手帳を持って行って手続きをするわけですが、これになにか記録してくれるものだと思っていました。受付の方に聞くと、ご自分で書いておいてくださいというのです。何の証明にもならないじゃないですかと聞くと、そういうものです、というのです(笑) 年金手帳で記録をしっかりと合わせていればこのような事態は避けられたかもしれませんね。

いずれにしても、今後の民主党政権に期待したいと思います。

事業承継

2007年からの、団塊の世代の一斉退職が話題となって久しいですが、中小企業の社長も同年代の方が多く、事業承継が一つの問題となっています。中小企業といいましても、そこに働いている方も多くいらっしゃいますし、また、せっかくのノウハウを一世代で終わらせるのは創業社長にとっても本意ではないでしょう。

中小企業の現状はご存じの通り非常に厳しく、ほぼ、全企業の7割は赤字とまで言われています。1986年には、532万社あった中小企業も2006年には420万社まで減少しています(中小企業白書2008年度版)。この数字をみても中小企業の厳しさがわかりますが、事業縮小や廃業理由は、必ずしも業況や市況のみならず、継者がいないことによるものも多いのです(中小企業2007年度版)。

私の事務所のクライアントについても事業承継に取り組んでおられる企業があります。事業承継といいましても、すぐに経営をバトンタッチする訳には行きません。経営のこと、営業のこと、資金繰りのこと、社長の会社に対する思いを承継すること、従業員に対する対応、後継者となる方には様々な勉強をしなければなりません。このことを社長が短期間で伝えようとするのは無理なことですし、また、社長が、ずっと、一線を張り、突然、後継者に継ぐというのは、後継者にとっては大変なことです。

事業を承継するには、5年10年という長いスパンで、社長と後継者が並走して、事業を行い、共有する理念や目標を立て、社長の会社に対する想いを伝えながら、徐々に後継者に権限を譲り渡すというのが望ましいのです。

昨今の家庭環境では、家業を長男が継ぐなどという概念もなくなりつつあり、事業承継者自体を探すのも困難なケースもあり、従業員が継ぐケースやM&Aを視野に入れないとならないケースもあるでしょう。しかし、せっかく社長が育ててきた会社を一世代で終わらせたいとは思わないでしょうし、守らなければならない従業員、取引先、顧客がいますから、決して避けて通れない問題です。

事業承継は、緊急でないけど大切なことに他なりません。もし、会社の将来を考えないでおくと、この問題は必ず、緊急で大切なことに変わってしまうでしょう。しかし、事業承継は、緊急で大切なことになった瞬間に手遅れな状況になってしまいます。忙しい毎日ですが、ほんの一瞬でも、会社の将来についても考えてみましょう。

仕事において大切なもの

今日は、一日事務作業でしたが、P生命の方と仲間の司法書士の先生の3人で、昼食会をしました。情報交換と意見勉強などを兼ねてです。この2人の方とは付き合いは、古く、私が税理士になった初期のころに出会ったのでもう、かれこれ5年くらいになるのでしょうか。

P生命の方から、お話をされ、目からウロコのお話があります。そのことは、著名人や私のバイブルのひとつである「夢に日付を」(ワタミ株式会社 会長 渡邉美樹著)にも同様のことがかかれており、仕事のできる方にとっては基本的な考え方なのでしょう。

その内容は、仕事の優先順位や何が大切かという内容なのですが、仕事には、まず大きく4つに分類されます。その4つとは、「緊急で大切なこと」、「緊急だけど大切でないこと」「緊急でないけど大切なこと」、「緊急でなくて大切でもないこと」の4つです。

この中で仕事において一番重要なのはどれでしょうか。もちろん、それは、「緊急で大切なこと」ですね。目の前で起こっているクレーム処理、問題解決に当たらなければならない事案は、当然、早急に対応しなければ顧客満足を得ることはできません。では、次に手を付けなければならない仕事はどれでしょうか。4つのマトリックスを意識しなければ、恐らく「緊急だけど大切でないこと」と思ってしまいがちですが、次に優先すべきは、「緊急でないけど大切なこと」ですね。

ここで、何に一番時間をかけなければならないのか、仕事のできる方は口を揃えて、「緊急でないけど大切なこと」にもっとも時間を割くべと言います。つまり、クレームの起こらない仕組み作り、仕事を効率よくできる仕組み作りなど、「緊急でないけど(今、何か問題が起こっているわけではない)大切なこと」に重点的に取り組んでいかなければ、将来「緊急で大切なこと」に、どんどん仕事が流れていき対処できなくなってしまいます。これでは、物事が発展していきません。緊急でないけど大切なことを後回しにすればするほど、将来、緊急で大切なことに追われることになってしまいます。

当事務所も、おかげ様で、1周年を迎えました。まだまだ、緊急で大切なことに追われて仕事をしていますが、2年目は、緊急でないけど大切でないことを重点的に捉え、皆様から喜ばれる会計事務所にすべく、システム作り、組織作りにもチャレンジしていこうと思います。