個人にかかってくる税金の一つに、所得税があります。毎年2月16日から3月15日までに自分で申告書を書いて提出することになっていて、どのようなものに税金がかかるのだろうということが毎年話題になりますね。税理士である私は、この時期には色々な方から、これについて税金はかかりますかなどとご質問を受けます。
所得税は、ご自分がその年に得た収入を10種類の発生源に分けることになっています。これらの収入がある場合には確定申告が必要な場合があります。
①預貯金の利子などの儲け(利子所得といいます)。これについては、通常、預貯金の利子をもらうときに、天引きになっていて、確定申告をする必要がありません。
②株の配当での儲け(配当所得といいます)。これについては、申告が必要なケース、不要なケースなどがあります。事前に税制を調べたり、税務署や専門家にご相談しましょう。
③不動産などの貸付けなどによる儲け(不動産所得といいます)。
④事業を行ったことによる儲け(事業所得といいます)。
⑤給料などをもらったことによる収入(給与所得といいます)。1か所からの給料のみの人で、他の儲けがなく、一定収入以下の人は、年末に会社で税金計算をしてくれるため確定申告の必要はありません。
⑥退職したことによる収入(退職所得といいます)
⑦山林を伐採したり売ったりした場合の儲け(山林所得といいます)。
⑧一定の動産や、土地や建物を売ったことによる儲け(譲渡所得といいます)。税制が難解で、一番、ご質問が多いのが、この譲渡所得です。以前にも書きましたが、必ず行動する前に税制を調べたり、税務署、税理士等の相談をお勧めします。事前の節税、事後の脱税にならないために。
⑨生命保険金の満期金での儲けや競馬で当たった場合、その他、ラッキー的な儲けです(一時所得)。ちなみに一定の宝クジは、当せん金付証票法13条の規定により所得税を課さないとなっています。
⑩ ①~⑨に当てはまらない儲け(雑所得といいます)。包括されてしまうので、税法の規定や他の法律で非課税とされない限り、これに当てはまってしまいます。
前回の問題ですが、遺失物の拾得や、報労金は、ラッキー的な一時的な儲けとして、上記の⑨の一時所得として所得税が課税されます。ただ、各所得の計算式は省略しましたが、一時所得は50万円の控除がありますので、遺失物の拾得や報労金、他の一時所得を足して、50万円までであれば、これについては税金はかからないことになります。
今日、珍しいニュースが報道されて、注目していました。ニュースによると、ある男性が、預金通帳と印鑑の落し物を拾い警察に届け出て、持主が現れて無事返還されたけど、その落とし主から何の謝礼もないとして提訴したそうです。何せ、その落とされた預金通帳の残高が、1,700万円というから大変です。請求額は、1,700万円の15%に当たる255万円とのことです。
遺失物法では、次のよう定めています。
第二十八条 物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
当該物件の価格という解釈が、今回の争点となるのでしょう。現金ではなく、預金通帳と印鑑であったというのが、どういう価値判断となるか注目です。
過去の裁判例では、昭和58年6月28日東京高等裁判所判決で、日銀小切手の紛失物は、その評価は2%であり、その5%を支払うべきとの判断がなされています。
さて、ここは、税理士ブログなので…。問題を出題します。
遺失物法では、3ヵ月持主が現れない場合、それを受け取る権利があり、また、今回のように持主が現れた場合においても、遺失物法に定める報労金を受け取れる場合があります。
これらの遺失物の拾得や、報労金には税金がかかるでしょうか? 正解は、後日に書きたいと思います。
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。いまは、インフルエンザや風邪が流行していますね。私の周りでも、お客様、取引先の方、専門家の方と、たくさんの方が、体調を崩されて休みをとっておられます。どうか、お大事にしてください。北海道の一部の地域では、保健所よりインフルエンザ警報が発せられたようです。
中小企業の経営者の方は、なかなか、お休みもとれないでしょうから、ご自分が病気にかからないか心配ですね。自己防衛をしても、病気になるときはなってしまうでしょうし、なんだか経済と似ていますね。国、地方、個人の連携が大切ですね。
体が資本とはよく言ったものです。仕事を一生懸命するには、体力づくりも大切…。慢性的な運動不足ですが…。
私の事務所のサポートをしてくれるコンピュータ会社TKCのSさんが新業務に移るとのことで、新担当者とともに最後の訪問に来てくれました。Sさんは、私が開業した当初からの担当として、事務所をサポートしてくれました。1年間お世話になりました。
ちょうど、新事務所に来られてよかったです。また、Sさんと新任の方は、あいさつ状の発送準備を手伝ってくれました。Sさんの「3人ですれば、すぐ終わりますよ、最後にこのようなお手伝いができて思い出に残ります」との言葉が感動的でした。夜な夜な、準備が大変だったので、非常に嬉しく思いました。
先月末日から、移転準備、あいさつ状の準備と、たくさんの方のご協力をいただきました。ありがとうございました。これからも当事務所をよろしくお願いします。
日本は、国民皆保険により、何らかの保険制度に加入しなければならないこととされています。法人の役員の方やサラリーマンなどは、健康保険に加入していますし、個人事業者など、その他の方は、国民健康保険に加入しています。
また、物議を呼んだ、75歳から加入する後期高齢者医療保険もありますね。後期高齢者という言い方はなんだ、ということで長寿医療保険制度などとも言われました。これは、民主党案によると、将来廃止になるようですね。
さて、今回の話題は、前回(かなり前になってしまいましたが)お話した、国民健康保険についてです。個人事業者など、健康保険に加入できない方は、国民健康保険に加入することになりますが、この国民健康保険の負担が重く、悩まれる方が多くいらっしゃいます。
40歳以上の方で、夫婦と子供1人で、所得が300万円の個人事業者のケースを考えてみます。個人事業者で、所得が300万円ということは、月にして25万円の生活費、ただ、その所得も、事業用の借入金の返済や事業の運転資金に回さないとならないことから、実際は、20万円位生活費が取れればよい方でしょう。まあ、贅沢はできないですが、何とか生活できるかなという位です。ところが…。
札幌市の国民健康保険料は、医療分保険料と支援金分保険料、介護保険料から成っており、この制度で行くと、ケースで上げた事例の場合、所得金額300万円に対して、50万円超も国民健康保険料がかかってしまうのです。また、国民年金保険料も夫婦それぞれで支払わなければならないので、14,660円×12か月×2人の35万円超の負担が生じます。こうなると、いわゆる社会保険のみでも85万円超の負担が生じ、所得税と住民税の負担を合わせると、ゆうに100万円は超えてしまうことになります。
所得金額から、社会保険や税金(所得税や住民税)を引いた額を可処分所得といいます。平たくいうと自由になるお金といっていいでしょう。個人事業者が所得300万円の場合、前述のように、生活費としては実際240万円程度とれればいい方でしょう。それに100万円超もの公的負担がふりかかってくるのです。これでは、とてもではないですが暮らして行けません。
役所には、国民健康保険の支払いについての相談が多いと聞きます。役所の対応としては、能力に応じて、支払額を決めてますのでというようですが、本当ですか??と、聞きたくなってしまいます。実際計算をしてみてほしいです…。国民健康保険については、応能負担原則、相互扶助なども考慮し、その制度について考えなおす必要があると考えます。
久しぶりの更新となってしまいました。以前、ご紹介しましたが、事務所を移転することになりました。
新住所は、札幌市北区北34条西7丁目1-12 トミイプラザNo.27 1階 となります。正式移転は、10月13日(火)となります。お近くをお通りの際には、ぜひ、お立ちよりください。
なお、電話番号は011-807-8745、FAX番号は011-807-8759で変更はございません。
気持ちも新たに、これまで以上に、努力していく所存ですので、ご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。