不正経理問題

以前、粉飾決算のお話を何日かに渡って書き綴りましたが、不正経理には、①脱税、②粉飾決算、とあと一つ、社長又は、従業員の私的流用や横領があります。連休前の話になりますが、千葉県の不正経理による私的流用が話題となりましたね。国や地方公共団体のこの手の話題が絶えないのはなぜなのでしょうか…。国民が、税金の使い途について、厳しい目を注ぐ中、そろそろ、いい加減にしてほしい思いの方も多いでしょう。

現金はルールを決めて清算し、現金を合わせ、現金支払いがあった場合、その内容を確認する仕組をつくっていますか? 現金管理をしっかりすることは、適正な経理をするためとか、申告を適正にするためだけに限らないわけです。今回の件に見られるように、不正を起こさせないという意味合いもあります。中小企業にとってみれば、むしろ、そちらの方が、重要性が高いとも言えるでしょう。特に、社長借入など、個人と会社のお金の出入りが多い企業は要注意です。

もし、不明な現金が生じた場合、社長は経理の方など従業員をまず疑うことでしょう。そうなると、お互い嫌な思いをするでしょうし、信頼関係も崩れてしまいます。このような状況になるということは、仕組みを作らなかった経営者の責任とも言えるわけです。

私が、以前働いていた税理士事務所の所長がおっしゃっていたことで、とても心に残っていることがあります。犯罪に手を染めるのは、もちろんいけないことだが、犯罪者をつくってもいけない。つまり、目の前に、一万円が、落ちていれば、どんなに善意の人でも、心が揺らいでしまうもの。そのようにならない(犯罪者を作らない)仕組みづくりが何よりも大切であるということですね。

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