1年越しの解答 ~ポイント10%還元は何%引き?~

前回(昨年12月4日分)の答えです。
まず、10%値引きの場合、これは、当たり前ですが、純粋に10%値引かれます。
前回の例でいいますと、1万円の商品を9千円で買えるのですから、算式でいいますと、

(1万円-9千円)÷1万円=0.1→10%値引きですね。

次に、ポイント10%還元のケースですが、こちらは通常、ポイントカードを充当した場合には、その買い物にはポイントがつきません。つまり、1万円の買い物をすると1千円分、ただでお買い物ができるということですから、結論的には、1万1千円の商品を1万円で買い物ができるということになります。よって…ポイント10%還元は、

(1万1千円-1万円)÷1万1千円=0.090909…→約9.09%値引きということになります。

不思議なもので、ポイントカードがあると消費者の購入意欲がわき、また、ポイントカードの有効期限の失効利益が望め、さらには、10%得したと錯覚を起こしますが、実は約9.09%の値引き率と企業にとってプラスの要素ばかりなのです。

実際には、その場で10%値引きの方が消費者にとって有利となります。それなのに、心理的には、ポイントカード制の方が消費者がいろいろな面で得をした気分になります。

某食品小売店では、現金還元セールを行っていましたが、そのことについて社長が、「値引き」は感謝されないけど、現金でお返しをすると、「ありがとうと感謝される」といいます。これについては、本来は値引きされても現金を還元されても消費者にとっては効果は同じはずです。であるにもかかわらず、実際の損得より、効果のある方法と、そうでない方法があって人の心理は不思議なものです。

縮小傾向にある、エコポイントや今年話題になったエコカー減税もその類ですね。

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