贈与税回避事件の解説 その① ~事案の概要~

ブログを見た方から、論文を見ましたが内容がよくわかりませんでしたとのご意見を何名の方からいただきました。
税理士専門家が読む誌面なので難しい内容ですが、果敢にも挑戦いただきましてありがとうございます。
昨日お会いした保険の方から、簡単な説明がほしいですとのことだったので(笑)、書こうと思います。

裁判の内容は、ニュースでも大きく取り上げられたのでご存じの方も多いと思いますが、元消費者金融役員の親子の贈与税に関する事件です。父が所有する国外にある財産を子供に贈与する際に贈与税がかからないように行動したのが争いの発端です。

①ご存じのように、日本ではものをタダでもらうと贈与税という税金がかかってきます。

②また、前提となるお話ですが、基本的に外国にいる方が外国にある財産を贈与しても日本の贈与税は課税することはできません。つまり、中国にいる方が中国にある財産を贈与して、日本の贈与税を課税します、なんてことはありえないですよね。

③では、この親子が父が所有する国外にある財産を息子さんに贈与するときに、贈与税を回避することはできるでしょうか。

そこで、親子がとった行動は…

子供が外国(香港)に住んでしまえばいいと考えたのです。すると、②と同じように国外に住んでいる人が国外にある財産をもらったのだから日本の贈与税は課税できないだろうと…。

ちなみに現行法では、この裁判が行われた後に税制改正が入っており、5年以内に日本に住所を有していた人などは海外に移住しても日本の贈与税を払うことになっています。

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