事前の節税・事後の脱税
一般に、弁護士さんや司法書士さんへ法律相談をする場合、どのタイミングで行うことが多いでしょうか。おおよそ、ことが起こって問題が生じてから相談されることが多いのではないでしょうか。もちろん、問題が生じないように契約書について相談するなど事前対策で相談される堅実な方もいらっしゃるでしょう。
税理士においても同じで、どちらかというと、行動を起こしてから相談されるケースも多くあります(ただ、最近は事前に相談される方も増えてきました)。行動を起こしてから相談された場合、問題が生じることがあります。
行動を起こした=事実というのは変えられないので、それに即した税金の法律適用でしかできません。もっとこうしておけば、税金を安くできたとか有利になったとか言っても後の祭りになってしまいます。もちろん、事実に対する法解釈について、複数の法解釈が生じる場合、主張によっては、有利になったり不利になったりということは出てきます。しかしながら、通常は事実に即した法律適用しかできず、ペーパー上や事後対策での節税は皆無に等しいのです。事実をねじまげて、こういうことにしておこう、というのは脱税で脱法行為ですから決して行ってはいけません。
例えば、今年の税制では、不動産を売ると税率が○%だけど、来年の税制改正では、○%で税率が少し下がるので来年売ることにしようとか、法人経営で今年は利益が思った以上に出たので決算対策で、決算賞与を出そうとか、保険に加入しようかと、事前に対策を打つことは、節税ですが、これが、後になって税金が多くかかることを知り、この日に売ったことにしようとか、賞与を払ったことにしようとか保険に入ったことにしようとなどとすると脱税となってしまします。
法律や税金のしくみを調べるときには、そのタイミングに注意し、必ず事前対策をするように心がけたいものです。
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